リクルーティングコラム
パソコンやスマートフォンの普及により、採用アプリやSNSを利用した就活など採用の方法も多様になっています。
「採用通知や面接の日程の管理が難しい」といった採用業務の負荷も多くなるでしょう。
そんな採用業務の負荷を減らしたい方に検討してもらいたいのが、採用管理システム(ATS)の導入です。
この記事では、採用管理システム(ATS)を導入するメリットや選ぶ際に比較するポイントについてご紹介します。
目次
採用管理システム(ATS)とは
採用管理システム(ATS)という言葉を聞いたことがない人もいるかもしれません。
まずは、採用管理システム(ATS)とは何なのか、導入する意義は何かみていきます。
採用管理システム(ATS)の定義
採用管理システム(ATS)とは、採用に関する業務を担うシステムのことをいいます。
ATSは「Applicant Tracking System」の頭文字をとったもので、「Applicant」は「応募者」、「Tracking」は「追跡」という意味です。
すなわち、採用管理システム(ATS)とは応募者を追って管理してくれるシステムで、「応募から面接までの日程管理」「選考の状況共有」など採用作業の最適化を行ってくれます。
採用管理システム(ATS)を導入する意義
採用管理システム(ATS)を導入する意義は採用業務を効率化するだけではありません。
少子高齢化で国内の人口は減少傾向にあるため、求職者側が優位とされる「売り手市場」が続くと予想される中では、特に採用側に効率的な採用が求められるでしょう。
そのため、効率的な採用を行えるという点で、採用管理システム(ATS)を取り入れる意義は非常に大きいのです。
選考管理がスムーズに。採用管理システム(ATS)の機能
採用業務を一元管理できる
採用管理システム(ATS)の導入によって、「応募者の新卒・中途採用の割り振り」「選考や面接の日程調整」などの業務を管理でき、また「応募者数」や「通過率」などの数値の管理やデータ蓄積も一括で行うことができるため、採用情報の管理が容易になるでしょう。
採用に関する情報や業務を一元に管理すれば、今まで採用情報の管理に割いていた時間を他の業務に当てることが可能になるだけでなく、人事担当者以外にも情報を共有しやすくなるため、急な選考の対応にも役立つのです。
求人媒体と連携できる
応募者数を増やすために、職種や雇用形態ごとに複数の求人媒体に掲載している企業も少なくありません。
しかしさまざまな求人媒体に求人票を掲載し、必要に応じて求人票の更新や削除をする作業や複数の求人媒体ごとに応募者を管理するとなると、採用担当者に大きな負担がかかるでしょう。
採用管理システム(ATS)は、採用の効率化を図るために応募者情報を管理するだけではなく、求人媒体と連携することも可能です。
複数の求人媒体を利用している場合でも、各求人媒体からの応募者を一元管理したり、まとめて求人票を掲載することができます。
採用管理システム(ATS)を選ぶ際には、自社が利用している求人媒体に連携しているATSであるかの確認が必要です。
Indeedでは「Indeedエントリー」(Indeed上でそのまま素早く応募できる機能)と連携する採用管理システム(ATS)からの応募は、求職者はどのデバイスからも容易に応募できることから、最大2倍以上の増加が見込まれています。(※参考資料 【Indeed連携パートナーになる】)
各応募者の選考状況をダッシュボードで表示できる
ダッシュボードとは、採用活動のデータを蓄積して分析するための機能です。
採用管理システム(ATS)では応募者の選考状態がダッシュボードに表示されるため簡単に確認できます。
各応募者の採用の状況を可視化することで、誰が何をすべきか一目でわかるためタスク管理がしやすく、応募者や面接官への連絡のスピードもあげることもできることから、面接から採用まで、業務漏れなくスムーズに進めることが可能です。
求める人物像に近い応募者への連絡が遅れたために、先に他社で採用が決定してしまう事態を防げるでしょう。
ダッシュボードでは、求人媒体ごとの応募率や採用率などをリアルタイムで表示できるため、自社の採用に有効な求人媒体が明確になり、コストの配分を時間をかけずに判断することが可能です。
採用活動全体のフローも可視化されるため、課題や改善点も確認でき、効率的な採用活動が期待できます。
システム上で一括して応募者とやりとりができる
採用業務は、応募者データの管理や集計、データ分析、応募の進捗管理、応募者や面接官との連絡など多岐にわたります。
求人媒体や人材紹介会社を問わず、システム上で一括して応募者情報の取り込めるだけでなく、応募者とのやりとりを一元管理できることも、採用管理システム(ATS)を使用するメリットです。
応募者とのやりとりで変更が生じた場合でも、採用担当者や面接官と簡単に情報共有できるため、円滑に対応ができるでしょう。
求人媒体に頼らず自社採用ができる
採用管理システム(ATS)には自社の採用サイトを作成する機能があるため、専門の制作会社に採用サイトの作成を依頼しなくても、自社の社員にサイト作成の専門的な知識がなくても、簡単に魅力的な採用サイトを自社で制作できるのです。
求人検索エンジンに対応した採用管理システム(ATS)で作成した自社採用サイトの運用をすることで、求人媒体に頼らない自社採用が増えることも期待できます。
採用管理システム(ATS)導入後は、求人媒体と連携して、自社採用サイトからの応募数が増えれば、求人媒体の連携から自社採用サイトのみの掲載に切り替えることで、有料掲載のコストをカットできるでしょう。
※詳しくは【【必見】Indeed対応のATSとは? 連携パートナー全14種紹介】をご覧ください。
採用管理システム(ATS)の6つのメリット
次に、採用管理システム(ATS)を導入するとどのようなメリットがあるのかご紹介します。
採用活動を効率化できる
採用業務の一元化に加え応募に関するデータの取得や分析ができるため、分析したデータを利用して「求職者の情報入力」や「社内の人員の振り分け・共有」を自動で行うことができます。
また採用管理システム(ATS)によっては、自社に合った面接や書類選考などの返信用メールのテンプレートを作成できるのも大きな利点です。
採用業務に関する効率化は、採用担当の負担の軽減や記入ミス、メールの送信忘れといったことを減らすことにもつながるのです。
データ・ノウハウが社内に蓄積される
採用情報を今後に生かす際にも、採用管理システム(ATS)は応募に関する色々な情報を分析できます。
例えば、求人サイトごとの採用率を数値でわかりやすく把握できるため、今後の採用活動の問題点や目標となる数値を見出せるでしょう。
応募と採用についてのデータを集積し解析することで、自社が求める人材の採用の確率が高まると同時に、自社に採用ノウハウが蓄積されるのです。
求人の最新状況が自動で更新される
応募が多くて、職種や雇用形態ごとに複数の応募経路をたどりながら管理するのが大変な担当者もいるのではないでしょうか。
採用管理システム(ATS)を導入すれば、応募があるごとに自動的に応募者データが更新され一元管理ができます。
複数の求人媒体を活用していても、媒体ごとに確認する必要もありません。
応募経路の確認や応募者管理などの業務を効率化できるため、採用担当者の負担が軽減されるでしょう。
採用課題を可視化できる
採用管理システム(ATS)を導入し、採用活動全体の数値を洗い出すことで、自社の採用活動について課題を明確にすることができるのです。
例えば、「選考ごとの出席者数と合格者数の割合」や「面接官ごとの合格の割合」「採用にかかっている費用」「現場店舗ごとの採用状況」などを数値として把握することが可能です。
その結果、「各選考段階や面接官の問題点」や「採用費用の改善」「採用数状況の確認」など、採用課題の可視化・改善がしやすくなるでしょう。
採用担当者のミス防止につながる
複数の職種や雇用形態ごとに複数の求人媒体を利用しての採用管理は、採用担当者にとって大変な労力となり、採用業務が追いつかない採用担当者もいるでしょう。
採用管理システム(ATS)を導入するとダッシュボードで採用に関するデータが可視化されるため、応募者の進捗状況を採用担当者や面接官に共有できます。
人から人への伝達では、注意していても伝達ミスや伝達忘れが生じることがあるため、同じ情報をシステム上で各担当者が共有することにより、採用担当者のミス防止につながるのです。
また管理が一元化されることで、応募管理の煩わしさや採用プロセス管理と課題の改善にかかる労力などの負担が軽減できるため、採用担当者のミス予防が期待できるでしょう。
※詳しくは【【徹底比較】採用管理システム(ATS)全21種と選定ポイント6選】をご覧ください。
結果的に採用コストを削減できる
採用における大きなコストのひとつが、求職者側と採用側の間で仕事内容や条件が合わない際に起きる早期離職です。
内定前にかかる採用人事の人件費であったり、内定後の内定者研修や懇親会の費用がかかるため、ミスマッチによる早期退職は避けなくてはいけません。
採用管理システム(ATS)では、採用した人数と入社後すぐに辞職した人数のデータを分析できます。
分析したデータから「面接は適切であったか」「自社のイメージや業務内容を伝えるや採用サイトに問題はないか」などを確認できるのです。
採用のミスマッチが起こりうる採用業務を改善し採用のミスマッチを減らすことで、結果的に採用コストを抑えられるでしょう。
採用管理システム(ATS)を導入すべき会社の3つの特徴
ここからは、採用管理システム(ATS)の導入をおすすめしたい企業の特徴を3つご紹介します。
採用業務を効率よく管理したい会社
採用活動は「説明会や面接などの日程調整」や「各業務を担当する社員の割り振り」「求人媒体の管理」など業務が多くあります。
採用管理システム(ATS)は採用の予定調整を自動的に行ってくれるため、スケジュールの見通しが立ちやすくなり面接を担当する社員が業務を行いやすくなるのです。
また求人媒体の管理についても、求人媒体との連携が可能なため求人媒体を別途で管理する必要がなくなります。
自社が求める人材を採用したい会社
日本では少子高齢化が進んでおり、労働人口の減少が今後加速するのではないかと言われています。
働き手が減る中で、「有能な人材を採用できるかどうか」は企業の存続を左右する重要な問題です。
採用管理システム(ATS)を導入することで余った時間や人員で、自社独自の採用システム構築の機会を作ることが可能になります。
採用の見直しや採用力強化を図ることで、優秀な人材の採用につながる可能性は高まるでしょう。
採用コストを抑えたい会社
採用コストには「人材紹介の企業や求人媒体に支払う費用」などが挙げられますが、中でも「社内で採用に割く人材の経費」は少なくありません。
採用管理システム(ATS)を使用すれば、「求人媒体の担当者との連絡」や「日程管理」などの採用業務の効率化と自動化を図ることができるだけでなく、無駄な人員を減らすことも可能です。
人材を追加で雇う必要もなくなり、採用コストを抑えることができるでしょう。
採用管理システム(ATS)を選ぶ際の比較ポイント6選
採用管理システム(ATS)にはいろいろな種類があります。
「どういった採用管理システム(ATS)を選べばいいの?」という方に向けて、採用管理システム(ATS)を比較する際に注意しておきたい6つのポイントをみていきましょう。
操作性が高いか
ツールの連携がやりやすく管理機能も簡単に扱えるものであれば、採用管理システム(ATS)を導入した直後でも「社員の情報共有や管理」などの採用業務をスムーズに行うことができます。
また、LINEと連携ができると応募者側にとっても使いやすいのも重要なポイントです。
実際に応募者側に表示される画面が見やすく、使いやすいシステムでもあることも導入前に確認しましょう。
他のサービスと連携できるか
採用管理システム(ATS)は「Google」や「Yahoo!」などの検索エンジン、また「slack」や「Chatwork」などのコミュニケーションツールとの連携機能があります。
社内や関係者でもし既に使用しているツールがある場合、どの検索エンジンやコミュニケーションツールと連携できるかを確認するのがポイントです。
自社の企業規模や雇用形態にマッチしているか
「自社が何人採用する予定なのか」「新卒・中途・アルバイトなどどのような雇用形態で採用したいのか」によって向いている採用管理システム(ATS)は異なります。
採用管理システム(ATS)には「大規模採用に特化したもの」「中小規模の採用に向いているもの」などいくつか種類があるため、例えば自社が中小企業で採用人数も少ない場合に大規模採用に特化した採用管理システム(ATS)を導入してしまうと、採用管理システム(ATS)を導入し維持するための経費が無駄にかさんでしまうのです。
導入前に、導入を検討している採用管理システム(ATS)が自社の規模や雇用形態に合っているか確認する必要があります。
セキュリティ対策がなされているか
「応募者の情報」や「自社の採用情報」などは重要な情報であるため、データの漏洩や紛失があっては自社の信用に関わります。
採用に関わるデータが会社の外部に漏れるのを防ぐためにも、しっかりとしたセキュリティシステムが整っている採用管理システム(ATS)を選ぶことが必須といえるでしょう。
・データのバックアップ機能
・SSLでの暗号化
・プライバシーマークの取得
以上の条件を満たした採用管理システム(ATS)がおすすめです。
クラウド型かオンプレミス型か
採用管理システム(ATS)には「クラウド型」と「オンプレミス型」の2種類があります。
「クラウド型」がオンライン上の既製システムを使用するのに対し、「オンプレミス型」はソフトフェアを自社設備にインストールして利用する仕組みです。
一般的に「クラウド型」は月々料金を支払うのに対し、「オンプレミス型」はシステムの導入時に一度だけ支払います。
採用コストを抑えたい場合や業務を減らすには、面倒な初期設備や費用のかからない「クラウド型」または、「クラウド型」に比べ高額ではあるものの、自社でセキュリティー対策をしたいなら「オンプレミス型」がおすすめです。
自社の採用サイトを作成できるか
採用サイトは採用の基礎になるものであり、求職者が自社の情報を集められる場所、そして応募につながるものでなければなりません。
実際に採用サイトを制作する際には、サイトのデザインやコンテンツの内容を自社で作成する必要があります。
採用管理システム(ATS)には採用ページの作成機能が搭載されているものもあり、例えばデザイン性の高いフォーマットを使用できたり、学生用のマイページを作成したりすることが可能です。
自社採用サイト作成に役立つ採用管理システム(ATS)を導入するのもひとつの選び方でしょう。
まとめ
自社において「採用業務をよりスムーズにしたい」「求める人材を採用したい」といった問題がある場合、採用管理システム(ATS)の導入を検討すべきだといえます。
導入の際は「自社の採用人数」や「雇用形態」などを確認し、自社のニーズに合った採用管理システム(ATS)を選択しましょう。
採用業務の効率化を図り、よりよい人材を獲得するためにも、採用管理システム(ATS)の導入がおすすめです。
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※この記事は、2022年5月現在の情報を元に作成しております。