リクルーティングコラム
ハローワークは厚生労働省が運営する、求職者と事業主の両者が活用できる行政機関で、事業主は求人を掲載するだけではなく、雇用に関する各種申し込みや手続きも行えます。
ハローワークは無料で利用でき、豊富なサポートも受けられるものの 、ただ求人票を入稿しただけでは思うように応募が来ない場合があるのです。
この記事では、ハローワークに入稿した求人に応募が来ない場合に考えられる原因と、応募を増やすポイントを紹介します。
ハローワークから応募が来ない原因とは?
幅広い年齢層の求職者が利用するハローワークに、求人票を入稿しても応募が来ない原因は何でしょうか。
求人票の内容に焦点を当てて、なぜハローワークの求人に応募が集まらないのかを解説します。
雇用条件が魅力的ではない
求職者から見て、給与や勤務時間、休日数や福利厚生といった雇用条件が魅力的でなければ、思うように応募は集まりません。
求職者が魅力に感じない求人票には、以下のような記載をしている傾向があります。
・業務内容や責任の大きさのわりに、月給が低い。
・勤務時間が変則的。また融通が利かない。
・週休1日や隔週休2日など、休日数が少ない。
・正社員なのに賞与がない。
企業としては仕事内容ややりがいを感じてほしくても、求職者が最も注目するのは雇用条件です。
雇用条件が自分の希望に合致して初めて、仕事内容以外の部分に興味を持ってもらえるため、自社と同業他社の雇用条件を比較して改善できるところは改善しましょう。
求人票の中身が薄い
ハローワークの求人票は記載できる情報量が限られているため、多くの企業は最低限の情報だけを記載し、詳細は面接で確認するというケースが見られます。
しかし仕事内容の項目が「書店の接客」「建築資材の営業」「営業事務」といった端的な表記だけでは詳細な仕事内容が分からず、求職者は自身の働く姿をイメージできないため不安になり、応募をためらうのです。
また採用にいたっとしても、求人票の中身が薄いために入社してみないと実際の仕事内容が詳しくわからなかったり、社内独自の仕事ルールに適応できなかったりと、「思っていた仕事内容と違う」「こんなはずではなかった」といった理由から、早期退職にいたる可能性も少なくありません。
求職者にとって、後悔しない就職・転職をするためには企業情報や関連情報の収集は非常に大事で、自分自身が納得できる就職・転職を実現するためにも、応募前にしっかりと仕事内容や条件を確認したうえで応募します。
「知りたいことや気になることがあれば検索する」ことが当たり前になっているため、「求人情報が少ない」ことは不安要素に大いになり得ることから、仕事内容や条件など求職者が求める内容を詳しく記載することが求められるでしょう。
求めるターゲット層がハローワークを利用していない
そもそも狙っているターゲット層が、ハローワークを利用していない可能性もあります。
厚生労働省が発表しているハローワークの利用者年齢層を見てみると、約60%が40歳以上で、29歳以下の利用者はわずか約20%です。
もし若年層を採用ターゲットにしているのであれば、ハローワークの利用者層とは明確にターゲットが違います。
経験や学歴、希望職種など、地域によって差があるため、「自社の狙うターゲットとハローワークの利用者がマッチするか」の見極めが重要です。
詳細は最寄りのハローワークに問い合わせてみましょう。
競合他社と比較する
求職者は企業を選ぶ際、自分の技量ややってみたいことを考えて、業種や職種を見ていますが、それだけで応募する企業を決めるわけではありません。
そもそも求人を見つけるのが難しい珍しい業種や職種を除けば、同じ業種で同じ職種を求人募集している企業は数えきれないほど多く存在するため、数多くの同業他社の中から求職者に選ばれる企業になることが重要なのです。
同業他社と比較する上でポイントになるのが「募集条件」で、優先順位は求職者により異なりますが、完全週休2日や常日勤などの勤務条件、給与や福利厚生などを比較検討する求職者が多い傾向にあります。
現代ではインターネット上で容易に同業他社の求人情報を確認できるため、自社のできる範囲で募集条件が勝るよう、他社の情報を把握することも必要かもしれません。
募集条件に見直すべきものがあったとしても、すぐには改善できないものが多いでしょう。
すぐ改善することが難しい場合「このような知識が身につきます」「このような人たちと働けます」といった自社で働くメリットを挙げるなどして、求職者に少しでも魅力的だと感じてもらえるように求人情報の書き方を工夫することが必要です。
※詳しくはこちら【採用ミスマッチはなぜ起こる?原因とミスマッチを減らす選考方法3つ】
ハローワークでの求人が抱える4つの問題点
求人広告の掲示に加えて、求人に関するさまざまなサポートを受けられるハローワークですが、 ハローワーク自体にもさまざまな問題があります。
ハローワークの求人にはどのような問題があるのか、ハローワークの現状を踏まえてみていきましょう。
以前に比べハローワークの利用者が減っている
ハローワークから応募が来ない原因として、利用者の減少が挙げられます。
利用者減少の理由には「少子高齢化社会による労働者人口の減少」と、「インターネットの求人広告の種類が増えたことによる、仕事探しの選択肢が増えたこと」が挙げられます。
仕事探しの方法が増えている
インターネットが普及する以前は、仕事探しの方法は新聞や求人誌といった紙媒体が主流で、職探しの方法は限定的であり、足を運べば多くの求人情報を無料で閲覧できるハローワークは、求職者にとって大きなメリットがあったため積極的に利用されていました。
しかしインターネットの普及によって仕事探しの方法は大きく変わり、現在では求人サイトやSNSなどWeb上での求職活動が一般的です。
ハローワークにもインターネットサービスはあるものの、今は民間企業の求人サイトも増加し内容も成熟しており、人材紹介サービス・ダイレクトリクルーティングといった求職者に与えられた選択肢が飛躍的に増加し、仕事探しの方法が多様化してた結果、相対的にハローワークを利用する機会が減少しているといえます。
求人の露出が少ない
ハローワークで掲載できる求人は基本的に管轄している地域の求人情報であり、ハローワークで仕事探しをする人は地元志向が強く、地元での就職を希望していることが多いため、ハローワークは「地方採用に強い媒体」だと言えます。
地方採用に強いということは、逆に全国からの応募を集めることには不向きです。
またハローワークはインターネット上で求人情報を見ることはできる反面、他の求人媒体と比較すると検索結果が上位表示されづらく、露出度は高くないと言えます。
加えてハローワークのインターネット版は「1クリック約100円で上位表示」といった広告機能がないため、急募の場合でも求職者の目に留まるよう効果的にアピールするのが困難です。
さらにハローワークに掲載されている求人は、基本的に事業所を管轄する地域の求人情報のため、全国各地の求職者に見てもらうことはできません。
「全国的な採用に弱い」「上位表示といった見つけやすくなる施策がない」といった面から民間の求人サービスと比較すると求職者から自社の求人を見つけてもらえる確率が低く、ハローワークを通じた応募が少なくない原因の1つとなっています。
求人に応募しづらい
ハローワークからの応募が来ない理由に「ハードルの高さ」があります。
民間の求人媒体の場合、インターネットや電話から手軽に応募できるのが一般的です。
ハローワーク の場合、求職者の応募までの流れは「ハローワークの窓口にて面接日程を調整する」もしくは「企業へ履歴書を郵送する」いずれかであるため、求職者にとって「民間の求人媒体よりも応募しづらい」という点でハードルが高いと言えるでしょう。
電話やインターネットで気軽にエントリーできる民間の求人サービスと比べると、ハローワークは応募のハードルが高いため、応募を避ける求職者もいるのです。
ハローワークからの求人を増やす4つのポイント
仕事を探す方法の多様化や掲載情報の目立ちにくさといった点から、ハローワークでの応募が集まりにくいことが分かりました。
ここからはハローワークへ入稿した求人への応募数を増やすにはどうすればいいのか、4つのポイントを紹介します。
仕事内容を詳細に書く
応募が来ない求人の多くは求人の情報が薄い傾向にあり、加えてハローワークは厚生労働省が運営している施設ということもあり、求職者は役所のようなお堅いイメージを持ちやすいことから、ハローワークで仕事を探すことに多少の不安を抱いています。
情報が薄い求人情報では、ハローワークを利用する求職者の抱える不安や悩みを解消し応募までいたることができません。
そのため求職者が求人情報を深く理解し、ハローワークの求人に対する不安を払拭できる内容に仕上げることがポイントです。
求人票に書く仕事内容を詳細に仕上げるには、「ひと目で仕事内容や待遇が分かるように具体的に書く」ことが重要で、求人をひと目で仕事内容や待遇が分かるようにしておくと、求人票を見た求職者が自分が働くイメージを作りやすくなります。
自社の求人を見返して、「求職者がひと目でここの企業に入ったらどのような仕事するか分かるかどうか」「どのような雇用条件・待遇なのかが瞬時に分かる求人であるか」を確認をしてみましょう。
求職者にとって自社で働くメリットや働く中で得られるものは何かを考えて記載しておくことで、同業他社よりも選ばれやすい求人票を作ることができます。
写真を掲載する
求人票を掲載するにあたって、「応募したいと思ってもらう」ことももちろん重要ですが、それ以前にまず「興味を持ってもらう」ことが非常に重要になります。
ハローワークには膨大な求人数が掲載されており、数多くの求人票の中から読者の目を引き、求人の内容まで詳しく読んでもらうことは決して簡単ではないからです。
文章以外の要素で求職者を惹きつけるために、職場や社員の様子がわかる写真やオフィス周辺の写真を掲載することが有効といえます。
ハローワークには膨大な求人数が掲載されており、数多くの求人票の中から読者の目を引き、求人の内容まで詳しく読んでもらうことは決して簡単ではないからです。
多くの情報を伝えられる「写真」は求職者に短時間で強い印象を与え、文章よりもイメージをよりリアルなものに近づけられるだけでなく、求職者の会社に対する興味を大きくすることも期待できるため、求人広告の応募効果を高める上では、募集要項だけでなく写真にもこだわることが重要でしょう。
福利厚生の条件を明確に記載する
労働時間や休日日数、残業に対する手当など、細かい福利厚生の条件を詳細に記載することで、入社後のギャップをなくし、ミスマッチを防ぐことができます。
福利厚生の条件を記載する際にありがちなのが、「家族手当あり」「交通費規定内支給」といった端的な内容で、求職者からすると「家族手当はどのくらい出るのか?」「交通費の上限はいくらなのか?」といった詳細な内容が気になるところです。
いくら魅力的な待遇があっても、求人情報に掲載しておらず、求職者に伝わらなければ採用にはつながりません。
福利厚生について具体的に記載すれば、求職者に対して魅力的な求人に仕立てることができるため、福利厚生については詳細に明記しましょう。
競合他社と比較する
求職者にとって魅力的な求人にするためにまずは、自社と業種が同じ企業や募集職種が同じ企業を対象に、「給与水準」「福利厚生」「年間休日数」などを確認します。
優秀な人材はまず条件の良い1番手の企業から応募し、面接を通れば企業に就職するのが一般的です。
競合他社の求人と比較して自社の募集条件が他社より見劣りするようなら、求職者にとって自社は2番手や3番手の企業となってしまい、優秀な人材の確保は難しいでしょう。
仮に自社が3番手の企業だとしたら、1番手や1番手の企業に落ちた人が応募してくるため、自社への志望度が低くなり応募されにくくなるのです。
競合他社と自社の違うところを列挙し、優遇できることろは優遇し、他社にはない魅力があれば求人票に明記して差別化を図るなどして、競合他社よりも魅力的な求人に仕上げましょう。
他媒体と併用!応募をさらに増やす4つのポイント
ハローワークで募集することにこだわりがなければ、ハローワーク以外の求人媒体を併用することも1つの手段です。
ハローワークと効果的に併用できる求人媒体を挙げながら、応募数を増やすポイントを4つみていきましょう。
求人検索エンジンの活用
求人検索エンジンとは、求人に特化した検索エンジンです。
例えばGoogleやYahoo! などを利用し検索する際に、検索エンジンのトップページにある検索窓から知りたい言葉や情報を入力し、検索することがあるでしょう。
求人検索エンジンとは、GoogleやYahoo! と同じような検索エンジンに求人情報が集約されたものを指し、大体の求人検索エンジンは、「職種」と「勤務地」を入力して、求人を探すものが多い傾向にあります。
例えばIndeedの場合、職種や会社名といった「キーワード」と都道府県名や市区町村名などの「勤務地」で検索できる仕組みです。
正社員や契約社員、アルバイトなどさまざまな雇用形態の求人情報を網羅的に求人募集できるのも大きな特徴です。
採用ホームページの作成
企業情報を掲載したコーポレートサイトとは異なり、採用ホームページとは、企業の採用情報を掲載することに特化した専用Webサイトのことを指します。
スマートフォンの普及により、老若男女問わずいつでもどこでも手軽にインターネットに接続できるようになり、多くの求職者が求人媒体を見た後に企業のホームページを確認する傾向が増えたことから、近年では多くの企業が採用サイトを設置するようになりました。
自社の採用ホームページを作成しSEO対策(検索エンジン最適化)を行うことで、検索エンジンでの上位表示を狙えるため自社を知ってもらう機会が増え、より多くの求職者に向けて自社の認知拡大ができ、求人への応募数増加が期待できるでしょう。
また求人サイトなどの媒体に求人広告を掲載する際は、文字数や表現などに制約があったり、動画や写真を掲載することができなかったりと、利用するサービスのルールに従わなければいけませんが、自社採用ホームページでは、自社の発信したいコンテンツを自由に掲載できます。
特にハローワークと併用する際には、文字数の関係で伝えきれなかった自社の魅力を採用ホームページを通して伝えることができるため、求人票より豊富な情報を採用ホームページ経由で伝えられることが大きなメリットです。
ソーシャルリクルーティングの活用
ソーシャルリクルーティングとは、FacebookやInstagramなどのSNSを活用した採用方法のことをいいます。
SNSの種類にもよりますが、20代〜30代のほとんどが何かしらのSNSユーザーであるため、場合によっては求人サイトを利用するよりも多くの若者世代に対して自社求人をアピールすることが可能です。
ソーシャルリクルーティングでは求職者のSNSアカウントを閲覧できることから、履歴書や職務経歴書などの情報では把握しにくい人格面の情報を把握できるメリットがあります。
求職者が自由に発信するSNSには、普段どのようなことを考え過ごしているのか、人柄やポテンシャルを知ることができる情報が詰まっているため、目星をつけた求職者のポテンシャルを把握しやすいのです。
派遣会社の利用
ハローワークで求人を行う場合、一般的な求人サイトよりも求人が埋もれやすい点から、急な採用には不向きといえます。
ハローワークで求人を行う場合、一般的な求人サイトよりも求人が埋もれやすい点から、急な採用には不向きといえます。
社会保険や雇用保険などの保険関連や、給与計算といった労務まわりについては派遣会社が責任を負うことになっているため、派遣先企業はこれらの業務を行う必要がありません。
そのため、1人の正社員を雇うよりも雇い入れ前後の業務コストを削減できることがメリットです。
まとめ
ハローワークは年々利用者が減っている現状から、ハローワークだけで求人を行うことはあまり有効ではないといえます。
ハローワークだけでなく、ハローワークのデメリットをフォローできる求人サービスと併用することで、ハローワークのメリットを活かしながら応募が来ない状態を打破できるでしょう。
この記事を参考に、ハローワークでの求人を見直してみてくださいね。
ハローワークと併用する求人媒体として、Indeedがおすすめです。
Indeedでは、Googleしごと検索など複数の求人情報検索エンジンと連係しており、採用サイトや応募フォームを簡単に作成できるため初心者でも簡単に扱うことができます。
求人検索サイトの広告パフォーマンスを分析できる機能や応募者の管理機能だけでなく、LINE応募や求人票、応募者のCSV一括ダウンロードなども使用できるため、担当者に適した活用が可能です。
Indeedを効果的に運用するためにも、トルーの活用を検討しましょう。
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※この記事は、2023年1月現在の情報を元に作成しております。