中途社員が能力を発揮するために。会社に早く馴染める体制づくり
更新日:2021.12.17
公開日:2020.8.28
カテゴリ:リクルーティングコラム 採用お役立ち情報
更新日:2021.12.17
公開日:2020.8.28
カテゴリ:リクルーティングコラム 採用お役立ち情報
即戦力、あるいはポテンシャルを期待して中途採用した社員が早期に離職してしまうことがあります。
早期離職に伴い、中途社員の採用や教育にかけたコストが損失に変わってしまうことが、企業や人事担当者にとっては悩みの種も一つです。
欠員発生に伴って、業務の進行や他の従業員のモチベーションにも影響するケースもみられます。
中途社員が早期離職する原因を分析しながら、早期離職を防ぐ対策について考えてみましょう。
中途社員と新卒社員との決定的な違いは年齢、そして社会経験の質や量です。
中途社員は何らかの形で特定の役割を持って働いた経験があり、年齢が高くなるほど豊かなビジネススキルや社会経験を持つ傾向がみられます。
実務での即戦力や組織に新しい風をもたらすことを期待できる反面、会社からの期待がプレッシャーに感じる人もいるようです。
また、個人のバックボーンによっては企業文化が浸透しにくいことも課題とされています。
一方、新卒社員は大多数が20代前半で、働く経験もアルバイトなどの短期就労がメインです。
ビジネスパーソンとしての社会経験は浅めですが、在学中のスポーツ・文化活動を通じて物事へ地道に取り組む姿勢を確立している人がみられます。
若者ならではの新しい発想を期待できるほか、長期にわたる社員教育を通じて企業文化を浸透させやすいのが特徴です。
中途社員 | 新卒社員 |
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・中途採用とは?中途採用の募集方法と給料の決め方、未経験の採用ポイントまで徹底解説!
中途社員の離職を防ぐことは、企業を円滑に運営していく上での重要な課題です。
退職者が生じると欠員を補充できるまでの間、既存の従業員への負担が増し、心身の疲労に伴って他のメンバーも退職してしまう(連鎖退職)恐れが生じます。
中小企業では人材不足に伴う倒産事例もあるなど、企業の存続そのものに影響するリスクです。
早期離職に伴う損失や、中途社員が早期離職に至る原因について確認してみましょう。
中途社員に限らず、従業員が早期に離職すると企業にとって大きな損失が発生します。
既存の従業員の生産性に影響しないよう、早めの対策が望まれるところです。
人事部門としては、採用活動の計画から入社候補者の選定・入社後の事務手続きにかかった時間が無駄になってしまいます。
業務内容の研修など人材育成にかけた時間も水泡に帰する結果となるため、中途社員が配属された部門だけでなく会社にとっても時間的な損失です。
早期離職者の研修・指導を担当したメンバーが、自分の責任で早期退職に至ったと悩むことも考えられるため、「早期退職は退職者の意思で決めた」ことを前提としたフォローも大切になってきます。
転職サイトや人材紹介会社に支払った経費が、目に見える損失として浮上します。
早期離職者の業務を穴埋めするために既存メンバーが残業を余儀なくされた場合は、残業手当も会社の損失になります。
特に4月〜6月の残業代が増えた場合は、9月以降1年間の社会保険料の負担が増えるなど、メンバーの金銭的負担の増加に波及する可能性がある点に留意が必要です。
早期離職に関する内容が企業口コミサイトに掲載された場合、新入社員を十分に育成しない企業、あるいは長く働きづらい企業だという印象が一人歩きする懸念があります。
その結果、労働環境が悪い企業(ブラック企業)であると求職者に誤解されるケースがあるようです。
この誤解によって、欠員補充の募集を行っても応募者が現れない事態も想定され、事業の継続に影響が及ぶリスクも伴います。
入社当初から不満を抱きながら働くのであれば、「この会社で働くのは難しい」と早期に割り切ってもらった方が企業の損失が少ないという見方もあります。
といっても、従業員が不満を抱く原因を企業として認識し、改善に向けて取り組むに越したことはありません。
中途社員が早期離職を決断する、3つの原因について説明します。
入社後の仕事内容が求人内容と異なっていて、その差異に関する説明を十分に受けられないと、会社との信頼関係を構築できないという気持ちになり、早期の退職につながります。
中途社員にとって「無茶振り」と捉えられないよう、仕事の量や任せ方にも配慮しましょう。
業務の相談をした際に放置されたり理不尽な回答を受けたりした場合に、人間関係が良好でないために職場に居心地の悪さを感じて退職に至るケースもあります。
2020年6月(中小企業は2022年6月)から、改正労働施策総合推進法(パワハラ防止法)が施行されており、就業環境が悪化した状況を放置したままだと法違反となるので注意が必要です。
長時間の残業が恒常化している、あるいは有給休暇を取得しづらい職場環境の場合に、育児や介護を想定して長期的なライフプランを描きにくいという考えで退職を検討する人もみられます。
ソーシャルディスタンスの確保や職場内の清潔保持といった感染症対策が不十分な場合も、安全面での不安から職場への不満に置き換わりうる点にも留意が必要です。
※あわせて読みたい・人材が定着しない原因は?社員の流出を減らして定着率を高めるリテンションマネジメント
中途採用で迎えた社員の早期離職を防ぐには、企業が受け入れ体制を万全にしておくことが大切です。
「良好な対人関係を構築するには第一印象が大切」といわれますが、入社初期における会社の体制やメンバーの雰囲気が、長期勤続への意欲と安心感に直結すると言っても過言ではありません。
中途採用で社員を迎える前に準備しておきたいことや、会社になじみやすい雰囲気の作り方を紹介します。
既存社員のエンゲージメント向上にも役立つため、積極的に取り組みたいものです。
中途社員の能力を最大限に発揮できる環境づくりの一環として、新入社員の受け入れ体制を整備しておくことは重要です。
「会社は新入社員を歓迎する」「私(新入社員)は会社に歓迎されている」という気持ちの通い合いが、組織全体のモチベーションアップにつながるでしょう。
部署レベルでスタートできる、3つの取り組みを紹介します。
採用活動のスタート段階から、現場管理職と人事担当者の間で採用予定者の人材要件をすりあわせておくことが大切です。
採用面接後に得られた入社予定者の情報をもとに、実際の担当業務や入社後のフォロープランを立てておくと、中途社員の受け入れもスムーズでしょう。
現場が求める入社予定者の能力や考え方を具体的に把握するために、現場管理職が採用面接に同席することも有効です。
入社後早い段階で、社内での仕事の進め方や事務手続きの方法等(ローカルルール)を中心とした研修を実施する準備を整えておきましょう。
入社後の「馴らし運転」期間を設けることで、社内の文化へスムーズに合流できる効果が期待できます。
研修実施にはテキストやマニュアルの整備が伴うため、業務の見える化にもつながります。
中途採用者が気兼ねなく相談できる仕組みづくりのため、メンター制度を導入することも一つの方法です。
医療・介護業界では、業務指導から日常の相談まで特定の先輩が担当する「プリセプター制度」として普及しています。
「必ず1人は相談相手がいる」体制により、中途社員が誰に相談したらわからず戸惑うという状況を防げるでしょう。
中途社員の能力を最大限に発揮できる環境づくりの一環として、新入社員の受け入れ体制を整備しておくことは重要です。
「会社は新入社員を歓迎する」「私(新入社員)は会社に歓迎されている」という気持ちの通い合いが、組織全体のモチベーションアップにつながるでしょう。
部署レベルでスタートできる、3つの取り組みを紹介します。
入社後早い時期に、中途社員を業務に関係する人に紹介しましょう。
社内での中途社員の認知度を高めるために、上司や先輩が同行すると効果的です。
関係性を維持するために、機会があればコミュニケーションを取るよう中途社員へ促しておくことも大切です。
入社当日に上司や一緒に仕事をする人と昼食の機会を設けると、入社当日の緊張感が和らぎ、コミュニケーションの促進につながります。
中途社員分の昼食代を会社が負担すると、歓迎されているという気持ちも伝わるでしょう。
入社日に昼食会を行う場合は、中途社員に「入社当日の昼食は会社で用意すると事前に伝えておきましょう。
業務の合間に声かけを行うことで、業務の不明点を確認するきっかけが生まれます。
仕事の中で困っている時に「大丈夫?」と声をかけられたり、折に触れて労いの言葉があったりすると、気にかけられていると思って安心するものです。
適度な雑談も、職場仲間との相互理解を深め、職場内での孤立を防ぐ効果をもたらすでしょう。
中途社員が早期離職してしまう原因は、受け入れ体制や入社前後のコミュニケーションに不備があるなど、受け入れ企業側に問題があることが多いようです。
中途社員が長く働き続けられる環境を整備することは、能力の発揮を通じて業績向上につなげられるだけでなく、既存の社員を大切にする取り組みにもつながります。
採用面接と入社後のギャップを最小限に留めることを意識して、入社初期から中途社員のフォローアップに取り組むことが大切です。
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