リクルーティングコラム
「優秀な営業を採用したいけど、どうすればいいのかわからない」と悩んでいる採用担当者の方もいるでしょう。
営業を取り巻く環境は時代とともに変化しており、昭和の時代は「ITを使わない足で稼ぐ営業」、平成の時代は「ITを使う営業」、令和の時代は「ITツールにでできない部分を補完する営業」といわれています。
営業職には採用方法にはどのようなものがあり、また採用単価をおさえる方法はあるのかをみていきましょう。
営業職採用の現状と求職者の傾向
IT化が進んだことで、パソコンとインターネット環境があれば、場所を問わず仕事ができる時代になりました。
大量生産・大量消費の時代が終わり、商品に対するニーズも多様化しています。
営業マンが「この商品はお客様に合っています。オススメです」といっても、インターネットで簡単に情報収集できる消費者にはなかなか信じてもらえないでしょう。
営業職が置かれている現状や転職希望者の傾向を知らなければ、魅力ある人材の確保は難しいのです。
まずはじめに営業職採用の現状と、求職者の傾向をみていきましょう。
有効求人倍率からみた営業職採用の現状
有効求人倍率とは、求職者に対する求人数の割合を指し「月間有効求人数」を「月間有効求職者数」で割った数字です。
1人の求職者あたり何件の求人があるのかを示し、有効求人倍率が1を上回ると求職者より採用したい企業が多く、逆に1を下回れば求職者が多いことを意味します。
営業職の有効求人倍率は1.78倍となっており、他の業種に比べると人手不足が深刻であることがわかるでしょう。
ITやデジタル化が進んだことで、飛び込み営業や訪問営業が敬遠されるようになりました。
さらに新型コロナウイルス感染症の影響もあり、感染リスクを極力減らすため、人と接触する頻度を減らす企業や個人が増えています。
従来の営業スタイルからITやデジタルを使用した営業が主流になったことで、営業職の専門化が進みました。
その影響でスキル不足や求職者と企業のミスマッチが増え、通年で採用活動をしなければならなくなったことも、営業職の採用が厳しい現実を示しているでしょう。
営業職に転職希望する求職者の傾向
営業職は他の職種に比べて未経験でもチャレンジしやすく、資格を持っていなくても挑戦できる職種です。
「転職してキャリアアップやスキルアップを狙いたい」「幅広いスキルを身につけたい」と思っている求職者が、営業職に転職を希望する傾向にあります。
また、努力や結果が評価に反映されやすいことや営業成績に応じたインセンティブ制度といった、頑張りが目に見えやすいことも営業職の魅力です。
「頑張りを評価して欲しい」「やりがいを感じたい」と思っている求職者も営業職を希望する傾向にあります。
【新卒・中途別】営業職の平均採用単価
営業職の新卒採採用と中途採用では、どのぐらい採用単価が違うのでしょうか。
ここからは、営業の採用活動をする上で知っておきたい「採用コストと採用単価の違い」と、営業職の採用単価について紹介します。
抑えておきたい!採用コストと採用単価の違い
採用コストとは人材を採用するのにかかる総合費用のことで、新卒採用・中途採用なのか、一般職・専門職なのかによってかかる費用の額は変わってきます。
さらに採用コストは「外部コスト」と「内部コスト」に分類でき、計算する前に「外部コスト」と「内部コスト」の内訳を明確にしておくと、採用予算の見直しや無駄かどうか検証する際に役立つでしょう。
求人広告費や会社説明会の会場費、会社案内パンフレットの制作費、人材紹介会社への報酬などが挙げられます。
求人サイトの掲載費用も外部費用に含まれるため、採用に関わる費用の中でも外部コストが示す割合が高くなる傾向です。
採用担当者の人件費や応募者の交通費、紹介社員へのインセンティブなどが挙げられます。
社内で発生した費用のため、請求書や見積もりが残る外部コストに比べ、正確に計算がしづらい点に注意が必要です。
採用単価は採用1人当たりにかかる費用で、計算方法は「採用コスト」÷「採用人数」です。
採用コストは「採用にかかった費用の総額」、採用単価は「1人採用するのにかかった費用」であるため、意味合いが異なります。
同じ採用予算でも、採用単価を抑えることができればその分多くの社員を採用できますし、採用コストを見直すことでより効率的に採用予算を使うこともできるでしょう。
採用コストや採用単価を把握することで、採用予算の見直しや「この工程は無駄だったのか」「効率のよい採用活動だったのか」の検証がしやすくなります。
※採用コストについて詳しくはこちら→【採用担当者必見!雇用形態別の平均相場と採用コストを抑えるポイント】
新卒採用における営業職の平均採用単価
新卒の場合、内定後にフォローアップや研修が行われることがあり、これをコストに含めるのかによって採用単価は変わります。
会社と従業員の規模で異なりますが、1人あたりの平均採用単価はおおむね以下の通りです。
従業員数 | 平均採用単価 |
---|---|
300人未満 | 65.2万円 |
300人〜999人 | 80.2万円 |
1,000人~4,999人 | 72.9万円 |
5,000人以上 | 59.9万円 |
参考:採用コストの計算方法 – 中途・新卒1人あたり平均は?採用管理システム導入で削減|BOXIL Magazine
大手企業ほど採用単価が低いことから、新卒採用がプロセス化されていることがわかります。
中途採用における営業職の平均採用単価
中途採用の場合は新卒採用と違い、特定のスキルや経験を持った人を採用するため、求人広告料金や人材サービスのエージェント料金が高くなります。
1人あたりの平均採用単価は次の通りです。
従業員数 | 平均採用単価 |
---|---|
300人未満 | 63.6万円 |
300人〜999人 | 83.0万円 |
1,000人~4,999人 | 108.5万円 |
5,000人以上 | 78.5万円 |
参考:採用コストの計算方法 – 中途・新卒1人あたり平均は?採用管理システム導入で削減|BOXIL Magazine
従業員数が300人未満の企業における中途採用平均単価が最も低く、従業員数が1,000~4,999人が最も多い結果となっています。
営業職の採用単価を削減する5つのポイント
ここからは、営業職の採用単価を削減しつつ魅力ある人材を採用するために、知っておくべき5つのポイントを紹介します。
掲載している求人媒体を見直す
求人媒体は種類が豊富にあるため、どうしても知名度のある企業や大手に求職者が流れがちです。
求人を何回か出しても求職者から連絡がないのであれば、「求人を出している媒体が自社のニーズをみたしているかどうか」について、一度見直してみましょう。
求人媒体を査定する場合は、複数社から資料を取り寄せて比較・検討するのがおすすめです。
リファラル採用を導入する
リファラル採用とは自社の社員に知人・友人を紹介してもらう採用方法で、低コストで人材を確保できます。
実際働いている社員がリクルーターとなり、紹介された人は企業のリアルな情報から入社するかどうか判断でき、企業に詳しい社員からの紹介により価値観の相違が少なくなり早期退職しにくい点がメリットです。
ただしリファラル採用は、社員が自社を薦めたいと思っていることが前提であり、採用人数が予測しにくい不安定な採用方法であることから、日頃から社員に呼びかけておく必要があります。
ダイレクトリクルーティングを活用する
従来の採用方法では、求人を出したら求職者から連絡が来るのを待つしかありませんでしたが、企業から自社にマッチした人材に自らアプローチする「ダイレクトリクルーティング」という採用方法もあります。
例えば「保険業界に詳しい営業を採用したい」「Web関連に強い営業を採用したい」といった具体的に求める人材像が明確になってきたときに、求めるスキルを持った求職者に直接アプローチする採用方法です。
スカウトする人材の選定に時間がかかったり、返信率を上げるための文章を考えたりしなければならないため、内部コストがかかる点を頭に入れておきましょう。
採用サイトを作成・運用する
採用コストをできるだけ抑えたいなら、企業から積極的に働きかけることも重要です。
多くの求職者に自社への興味を持ってもらえるよう、自社の魅力や社員紹介・福利厚生などのコンテンツを掲載する採用サイトを作成しましょう。
採用応募や面接の段階で企業に関する多くの情報を知ってもらえれば、疑問や不安の解消だけでなく、より応募や入社意欲を高める効果もあります。
カジュアル面談を取り入れる
「気になる企業だけど、応募は難しいかも…」「面接だと緊張して思うように話ができない…」と思っている求職者もいるかもしれません。
「選考に進む前にとりあえず話を聞いてみたい」という求職者に対し、自社の事業や商品・働いている従業員・価値観を求職者に理解してもらい、選考に進むか判断してもらうのがカジュアル面談の目的です。
カジュアル面談を行うことで、自社に全く興味がなかった求職者にも応募する会社の候補にしてもらえる可能性があるだけでなく、お互いのミスマッチを防ぐことも可能です。
自社の魅力や事業内容を知ってもらうことがカジュアル面談の目的なので、できるだけ多くの情報を伝えることを頭に入れておきましょう。
まとめ
他業種に比べ営業職の採用が難しいのは、現代社会を取り巻く環境や急速に進むIT化・専門職化が要因として挙げられます。
この記事で紹介した方法を活用し、自社にとって魅力的な営業職の採用につなげましょう。
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※この記事は、2022年11月現在の情報を元に作成しております。