リクルーティングコラム
「採用サイト」とは、求職者をターゲットにした「採用に特化したサイト」のことです。
株式会社 ONEが行ったアンケートによると、「求人情報に応募する際に企業研究を行うサイト・メディアを見るか」という質問に対し、採用サイトが50.4%と回答しています。
引用:株式会社 ONE「企業の『採用サイト』に関する意識調査」
求職者の多くが情報収集や企業研究に採用サイトが情報の入手先として重要な役割を果たしていると感じており、採用サイトがあることで企業への好感度もポジティブなものに変わっていることがわかりました。
引用:株式会社 ONE「企業の『採用サイト』に関する意識調査」
このことから採用サイトの充実度は、採用活動の成功の鍵につながるといえるでしょう。
しかし「採用サイトの充実度」といっても「何からすれば良いかわからない」採用担当の方もいるのではないでしょうか。
この記事では、採用サイトを充実させるための手段として「数字で見るコンテンツ」について解説していきます。
なぜ「数字で見るコンテンツ」が重要になってくるのか、どのような内容を載せると効果的なのか、参考にできるサイトなどを具体的に紹介しているため、この記事を読んで採用活動にお役立てください。
採用サイトにおける数字で見るコンテンツの重要性
ここからは、採用サイトにおいて数字で見るコンテンツの重要性についてみていきます。
数字という根拠を持って求職者にアピールが出来る
数字を用いて採用サイトのコンテンツ作りをする場合、アンケートや集計作業など、裏付けとなる根拠が必要です。
「社員同士が仲が良い」や「長く働いている社員が多い」などのあいまいな言い方では「根拠があるのか」「一個人の見解ではないか」と不安になる求職者がいるかもしれません。
「社員同士が仲が良い」ではなく「社内サークルへの加入率〇〇%」にしたり「長く働いている社員が多い」ではなく、「平均金属年数〇〇年」のように数字という根拠を持って伝えましょう。
具体的な数字があることで、一個人の見解ではなく根拠を持ったデータに変わり、求職者が知りたい情報を定量的にアピールすることが可能です。
また採用サイトのコンテンツがすべて文章で構成されていると、見にくく、重要なアピールポイントが伝わらない可能性が考えられます。
数字を用いたインフォグラフィックを適切に使うことで、求職者に効果的にアピールできるのです。
インフォグラフィックとは「図や表、イラストなどを使って情報を視覚的かつ直感的に認識できるように表したもの」をいいます。
根拠のある数字で、インフォグラフィックを用いて定量的かつ視覚的、直感的に求職者にアピールしましょう。
どのような数字やデータを載せれば良いか
具体的にはどのような情報を数字やデータとして、採用サイトに載せることが多いのでしょうか。以下は、採用サイトに載せる数字やデータの一例です。
【企業情報】 ・創業年数 ・取引件数 ・売上高、売上推移 ・拠点数 【社員情報】 ・男女比率 ・新卒・中途採用比率 ・平均年齢 ・平均勤続年数 ・有資格者数 【働き方についての情報】 ・在宅・出社比率 ・平均残業時間 ・年間休日日数 ・有給、産休取得率 【その他】 ・前職の業種、職種比率 ・休日の過ごし方 ・職場での服装 ・血液型比率 |
「売上高」や「平均残業時間」など、多くの採用サイトに記載されている基本的な情報から「休日の過ごし方」や「血液型」といった個人により着目した、さまざまな情報があります。
忘れてはならないのは「採用サイトは何のためにあるのか」という採用サイトの目的です。
「より自社にマッチした求職者に応募して欲しい」「今までとは異なるターゲット層にアプローチしていきたい」など企業によってさまざまな思いがあります。
採用サイトでは、求職者にただ自社の魅力をアピールするのではなく「求職者が求めている情報」を提供しアピールしましょう。
※詳しくはこちら→
【採用活動におけるデータ分析の方法とは?おすすめのツールも紹介】
数字で見るコンテンツを活用している採用サイト7選
ここからは、数字を用いたコンテンツを活用している採用サイトを7つ紹介します。
株式会社イプロス
■コンテンツ内容 ・平均年収 ・賞与平均支給月数 ・Webエンジニアの使用OS ・1週間以上の休日を年に3回取得する社員比率 ・社内外への接待回数 など |
「求職者が聞きたいけれど、面接で聞きにくい」情報が多く載っているのが特徴です。
「1週間以上の休日回数取得率」や「接待回数」など、求職者が知りたい情報、かつ働きやすさにもつながる情報が確認できます。
株式会社日立ハイテク
■コンテンツ内容 ・海外事業展開している国及び地域 ・特許件数 ・海外従業員比率 ・育児休業復職率 ・CO2排出量削減比率 など |
ダイバーシティや社会貢献活動にも力を入れている企業ならではの「海外従業員比率」や「CO2排出量削減比率」などの項目が多く確認できるのが特徴です。
ページ上部に各項目がインフォグラフィックでまとまっていて、下にスクロールしていくと各項目の詳細も確認できるようになっています。
ヤフー株式会社
■コンテンツ内容 ・離職率 ・リモートワーク比率 ・年間平均残業時間 ・育児短時間勤務利用者数 ・育児休業取得率 ・副業申請従業員数 など |
働きやすさや、ワークライフバランスに関わる「年間平均残業時間」や「副業申請従業員数」などの情報が多いのが特徴です。
各項目をクリックすると詳細情報が表示され、直感的な見やすさと、一歩踏み込んだ情報のアピールの両方を兼ね備えています。
ポノス株式会社
■コンテンツ内容 ・社内の雰囲気 ・有給休暇取得率 ・にゃんこ大戦争のダウンロード数 ・1日のゲーム時間 ・平均帰宅時間 など |
「にゃんこ大戦争のダウンロード数」や「1日のゲーム時間」など、人気ゲームアプリを制作している企業ならではの情報が多いのが特徴です。
インフォグラフィックも単純に数字や表だけでなく、ユニークなイラストを用いたり、「雰囲気」という数字ではデータ化しづらい情報も「テキパキ、ゆったり、にぎやか、アットホーム」と4つの項目に分けたりして、ユーモアを持ちつつ、定量性も実現しています。
ガンホー・オンライン・エンターテイメント株式会社
引用:ガンホー・オンライン・エンターテイメント株式会社 コーポレートサイト
■コンテンツ内容 ・ゲーム総ダウンロード数 ・メガネ率 ・仕事服比率 ・ゲーム歴 ・1日のゲームプレイ時間 ・マッサージルーム平均月間利用人数 ・リフレッシュルーム利用率 など |
「メガネ率」や「仕事服比率」「ゲーム歴」など、実際にどのような服装で、どのような人が働いているのかを想像しやすい情報が多いのが特徴です。
「マッサージルーム平均月間利用人数」や「1日のゲームプレイ時間」などから、仕事の合間のリフレッシュや自宅でゲームを楽しむ余裕のある働き方であることもアピールできています。
株式会社クーリエ
■コンテンツ内容 ・入社前に経験した業界比率 ・文系・理系比率 ・仕事のやりがいを感じる時の比率 ・社内で昼寝をしたことがある人比率 ・社内に憧れの人がいる人比率 ・職場の人と食事や飲みにいく人比率 ・オフタイムの過ごし方比率 など |
「入社前に経験した業界比率」や「文系・理系比率」など入社前の情報と「仕事のやりがいを感じる時の比率」や「社内に憧れの人がいる人比率」などの入社後の情報が両方載っているのが特徴です。
「社内で昼寝をしたことがある人比率」や「職場の人と食事や飲みにいく人比率」などの職場の雰囲気や仲の良さも含め、23項目ものインフォグラフィックで一目でわかりやすく情報をアピールしています。
株式会社ダイサン 採用サイト
■コンテンツ内容 ・社員の平均年齢 ・平均有給取得日数 ・男女比率 ・管理職の平均年齢 ・新入社員の出身地 ・社員の血液型比率 など |
「社員の平均年齢」や「管理職の平均年齢」などから、求職者が自身の年齢に当てはめて入社後のステップを想像しやすいのが特徴です。
まとめ
「数字で見る採用サイト」とは、数字とコンテンツの内容や構成を工夫することで、見やすく、直感的に情報を捉えられるサイトを意味します。
根拠のある情報が見やすくまとまっていることで、たくさんの採用サイトを閲覧している求職者が、他社の採用サイトと比べた時に差をつけることができるのです。
どの情報を「数字で見るコンテンツ化」すれば、より自社の魅力をアピールできるのか、といったことや、数字やインフォグラフィックの活用次第で企業によって個性を出せることもわかりました。
数字で見るコンテンツにすると、より効果的に自社の魅力をアピールできるポイントはどこなのかを、まずは検討する必要があります。
この記事を参考にして、「数字で見るコンテンツ化」のある採用サイトを制作し、自社の求める人材に効果的にアピールにつなげましょう。
採用サイトを利用すれば、求人掲載費も抑えた状態で、多くの求職者の目に留まるチャンスが得られます。
志望度の高い求職者を集めたり、採用のミスマッチを防ぐなど、採用活動においてメリット豊富な採用サイトの作成は、採用力を強化するのに欠かせません。
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※この記事は、2023年9月現在の情報を元に作成しております。