リクルーティングコラム
新卒採用の早期化に伴う採用活動の長期化や、採用手法の多様化・複雑化など、さまざまな変化が起こっている昨今の採用市場において、今注目されているのが「採用工数の削減・効率化」です。
採用工数の削減や効率化を図る上で、覚えておきたいのが「コア業務・ノンコア業務」でしょう。
この記事では、採用活動のコア業務とノンコア業務に触れながら、コア業務とノンコア業務を採用活動の効率化にどのように活用するかを紹介します。
採用に関わるコア業務とノンコア業務
まずはじめに、採用に関わるコア業務とノンコア業務とは何か、それぞれみていきましょう。
それぞれの言葉の意味を解説しつつ、コア業務とノンコア業務の内容から「業務の整理」とは何かを紹介します。
採用担当のコア業務とは
コア業務とは、企業活動の中心にある業務のことを指します。
業務の性質上、人的リソースが必要になる重要な業務であり、効率化自体も難しい業務です。
コア業務は「主業務」とも呼ばれるように、事業活動の根幹を支える中核業務全般を指しており、企業存続のために欠かせない業務といえます。
非定型業務が多くを占めることから、専門的な技術や高度な知識、的確な判断力などが求められ、業務領域が属人的なのが特徴です。
コア業務に該当するのは、下記のような内容になります。
・利益に直結する
・型が決まっていない
・難易度が高い
・専門的な判断を必要とする
業務の成果が企業や組織の成長に直結することから、ヒトやモノ、資金など経営資源の多くが投入されるのもコア業務の特徴です。
また、コア業務のもう1つの特徴に、効率化を進めにくい点があります。
事業内容や事業環境の特殊性や、人材配置をはじめとした社内環境整備など、さまざまな要素が絡み合う業務であり、型が決まっていないことからマニュアル化しにくいという点で業務の効率化を進めるのが難しい業務といえるでしょう。
採用にまつわるコア業務には、下記の内容が挙げられます。
・インターンシップ
・学内セミナー
・合同説明会
・説明会
・選考以外の面談
・選考実施(1次選考~最終選考)
・内定者フォロー
採用担当のノンコア業務とは
ノンコア業務は、コア業務の補助的役割を担う業務です。
「ノンコア(non-core)」とは格ではない、主力ではないという意味の英単語で、転じてノンコア業務とは、直接的には利益を生み出さないものの、企業や組織における業務全般の遂行を後押しする業務を指し、間接業務と言い換えることもあります。
ノンコア業務の主な特徴は、以下です。
・利益に直結せず、コア業務を支援する
・型が決まっている、型が決められる
・難易度が低い
・専門的な判断を必要としない
一般企業では後方支援的な部署内の業務を指すことも多く、各職種ごとに業務を細分化したとき、主力でない業務全般がノンコア業務に該当します。
ノンコア業務は高度な判断力を必要とせず、難易度が低い仕事であり、ルーチンワーク化できるのが特徴です。
加えてノンコア業務は直接利益を生まないため、経営資源を積極的に投入されることが少なく、業務改善を行うことで効率化を行いやすい業務といえます。
一方で企業によっては利益に直結しないノンコア業務に人も時間もお金も取られてしまい、費用対効果があがらず、企業の成長の妨げとなることもあるのです。
コア業務とノンコア業務を明確に切り分け、ノンコア業務を効率化させることで社内の人的リソースで最大の成果を生み出すことができます。
そのため、コア業務とノンコア業務で業務内容を切り分けて採用業務の整理をすることが、採用業務の効率化を図る上で重要なポイントです。
採用担当の整理しやすい業務とは
採用業務の中で、ノンコア業務に該当するのは主に以下の業務となります。
・求人票送付
・インターンシップへの呼び込み、会場手配
・求職サイトでの予約画面設定
・DM配信
・スカウト配信
・インターンシップ(説明会)のリマインドメール配信
・オンラインインターンシップ(説明会)の参加用URL送付
・インターンシップ(説明会)の参加履歴登録
・選考(1次選考~最終選考)の予約画面作成
・選考への学生誘導メール配信
・選考(1次選考~最終選考)ごとのリマインドメール配信
・選考(1次選考~最終選考)ごとの合否履歴登録
・次回選考案内
・Webテストや適性検査の案内
一概に上記の通りではなく、使用している採用ツールや応募者への個別サポートなどがある場合は、さらにノンコア業務が増えるでしょう。
挙げられたノンコア業務から、さらに優先順位の高いノンコア業務と、優先順位の低いノンコア業務に細分化できます。
細分化した業務から「注力すべきコア・ノンコア業務」と「自動化や外注して簡潔化できるノンコア業務」に分けることで、採用業務効率化の足掛かりにできるのです。
なぜ採用活動においてコア業務とノンコア業務を整理する必要があるのか
ここまで採用業務の効率化の足掛かりとして、コア業務とノンコア業務で業務内容を整理することを紹介しました。
ここからはなぜコア業務とノンコア業務で業務内容を整理する必要があるのか、2つのメリットからみていきましょう。
採用活動全体の効率化につながる
採用活動におけるコア業務とノンコア業務を切り分け、部分的に自動化したり外注したりすることで、重要度の高いコア業務に自社の人的資源を集中的に投入できます。
これまで見積書や資料の作成などに割いていたリソースをコア業務に回せるため、業務の効率化が期待できるでしょう。
また、コア業務に対して優先的にリソースを割り当てられれば、ワークフローを改善する機会や余裕が生まれる点もメリットのひとつです。
業務改善の機会が増えることによって業務プロセスの効率化を促せるため、作業時間の短縮やターゲット人材へのアプローチ機会の増加など、今までの採用活動よりも多くの付加価値を創出する一助となるでしょう。
コア業務に集中するためには、まずノンコア業務にかかるリソースを小さくし、コア業務に投入するリソースを確保しなければいけないのです。
ただしコア業務にリソースを集中させるためには、自社におけるコア業務とノンコア業務がどのようなものかを知っておかなければなりません。
ノンコア業務は直接利益に影響しませんが、効率化を図らないと工数を圧迫し、コア業務に影響を与えます。
そのため、ノンコア業務を効率化すべく改善しなければなりませんが、優先度が低くなりがちなノンコア業務は企業によっては後回しになりがちです。
コア業務に集中するためにもノンコア業務にかけるリソースは小さくすべきであり、、自社での改善が難しい場合には、業務請負ができる専門企業へ外注することを検討しなければいけません。
採用活動の成果の向上につながる
細分化して切り分けたコア業務に人材や業務時間などのリソースを集中させることで、採用活動における競争力を高めることができます。
人やモノ、お金といったリソースをコア業務に集中させると、大きな利益を上げられるようになり、企業としての価値や競争力を高められることから、企業の成長につながるのです。
たとえば営業部門は企業の利益につながる重要なコア業務ですが、営業に配属できる人員には限りがあります。
利益を最大化するためには、経営者は限られた人員のなかで、最大限にリソースを活用できるよう考えなければなりません。
採用活動に言い換えた場合、あらかじめ定めた採用計画の中でどの業務がコア業務にあたるかを見定め、ノンコア業務へのリソースを最小限に抑えつつ「コア業務に集中するにはどうすればいいのか」を考えることがポイントになります。
企業は経営判断としてノンコア業務にも人材や資金を割くことがありますが、ノンコア業務を外注して自社から切り離せば、コア業務に社内のリソースを集中させることが可能です。
ノンコア業務を外注することでコア業務に専門的なノウハウを蓄積でき、結果としてターゲット人材の確保や応募者数の増加といった採用活動における成果を今まで以上に高め、競合他社に差をつけられるでしょう。
採用に関わるノンコア業務を効率化する方法
採用活動において、コア業務に人材や時間などのリソースを割き、コア業務に注力することで効果的な採用活動の効率化や成果の向上が望めることが分かりました。
ここからはノンコア業務を効率化させるにはどうすればいいのか、3つの方法を紹介します。
業務の要否を仕分けする
ノンコア業務に仕分けされた業務内容の中から、コア業務に直結したり業務上必要になったりする業務を、採用活動において優先度の高い順に並べ替えましょう。
採用活動上で必要になるノンコア業務には、以下の業務が挙げられます。
・ナビサイトでの予約画面設定
・オンラインインターンシップ(説明会)の参加用URL送付
・インターンシップ(説明会)の参加履歴登録
・選考(1次選考~最終選考)の予約画面作成
・選考への学生誘導メール配信
・選考(1次選考~最終選考)ごとの合否履歴登録
・次回選考案内
・Webテストや適性検査の案内
ノンコア業務の中でも、優先度の低い業務には以下の業務が挙げられます。
・求人票送付
・インターンシップへの呼び込み
・インターンシップ会場手配
・DM配信
・スカウト配信
・インターンシップ(説明会)のリマインドメール配信
・選考(1次選考~最終選考)ごとのリマインドメール配信
優先度順に細分化されたノンコア業務の中から「どの業務が必要ないのか」「どの業務がまとめて対応できるのか」といった業務の要否を洗い出しましょう。
不要な業務を洗い出し、必要なノンコア業務に焦点を当てられる状態をつくることで、外部委託(アウトソーシング)や採用ツールの導入などの選択肢を考える土壌となるのです。
システムを導入する
ノンコア業務の中でもリマインドメールや招待メッセージなど、ツールやシステムで対応できる業務はまとめて自動化することでノンコア業務を効率化できます。
採用活動におけるシステムはATS(Applicant Tracking System)とも呼ばれており、機能のシンプルさや多機能さの違いはあるものの、採用業務に特化して開発されたシステムのため、採用を進めていく中でさまざまな業務の自動化が可能です。
各種自動化以外にもイベントや広告の管理、応募者情報の一元管理、採用スケジュールや選考の進捗管理をシステムで行うことで、業務の効率化を図れます。
またATSによっては応募者ごとのデータを集計したレポートを自動作成してくれるシステムもあります。
従来の方法では手作業だった選考結果の集計作業といったものが自動化されるため、採用活動の分析を行う上で大幅なコスト削減につながるでしょう。
ATSには新卒採用特化や大規模採用規模特化など、自社の採用活動の目的や規模に最適なシステムがあるため、自社の採用目的に合いそうなATSを複数見繕い、比較しながら導入するATSを選定することがポイントです。
アウトソーシングを利用する
ノンコア業務の中で自動化しにくい採用者ごとの個別対応や電話対応などの業務は、アウトソーシングで対応する方法が考えられます。
アウトソーシングとは、、「Recruitment Process Outsourcing(リクルートメント・プロセス・アウトソーシング)」の頭文字をとり「RPO」とも呼ばれ、自社の採用活動を別の代行企業に委託して進めることです。ます。
採用業務を外部委託することで得られる主なメリットは、以下の3つです
・自社のリソースを抑えながらも本格的な採用活動を進められる
・人を雇用したり、教育する手間なく採用活動を進められる
・採用の他社事例や効果的な運用方法など、常に新しい情報をキャッチしながら効率的に業務を進められる
アウトソーシングはどの業務でも代行してくれる訳ではなく、サービスによっては委託できない業務がある可能性があるため、アウトソーシングを利用する前に「委託先に依頼する業務」と「自社内で完結する業務」の分担を事前に把握する必要があります。
そのため、あらかじめノンコア業務がどれに当たるかを整理することでアウトソーシング化できる業務がどれかを選定できるのです。
採用活動のノウハウがない会社や、採用活動に割くリソースが足りてない会社は、自社の採用活動全般をサポートしてもらう意味でもアウトソーシングで採用活動を補強する方法が有用だといえます。
まとめ
採用におけるコア業務とノンコア業務を整理することで、採用活動の効率化を図ったり、採用活動において注力すべきポイントを見定めたりすることが可能です。
採用管理システムの導入やアウトソーシング化といった大規模な採用活動の改善のための準備だけでなく、ノンコア業務を見直すことで業務上の無駄を見つけ出すことができる点でも、コア業務とノンコア業務の整理は効率化に貢献できる改善だといえます。
この記事を参考に、自社の採用業務を整理してみましょう。
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※この記事は、2023年10月現在の情報を元に作成しております。