リクルーティングコラム
2023年4月より、Indeedのスポンサー広告では従来のクリック単価入札システムが廃止されるという大きな変更が行われました。
2022年7月よりスタートしたAIによる4つの運用方法により選択するものに代わり、選択型の自動調整の方式が導入され、広告運用はIndeedのAIが管理する新しい形へと完全移行されたのです。
ではクリック単価方式が廃止されたらどうなるのか、従来の方式と比較しながら「選択自動調整」とはどのようなものかの説明と併せて、この記事で解説していきます。
このコラムの目次
Indeedのクリック単価廃止前の運用方法
まずはじめに、Indeedにおけるクリック単価廃止前の課金方式をおさらいしていきましょう。
今までの課金方式にはどのような方法があり、どの課金方式が廃止されたのかを紹介します。
予算と期間を定めた自動運用
自動設定とは、AIが入札相場の動向を見ながらクリック単価を設定してくれるものです。
自動設定では、設定された期間内で予算を最大限に活用するように広告運用が行われます。
「予算20万円で1ヶ月間掲載したい」といった、ある程度の掲載期間も設定す可能です。
自動的に最適なクリック単価で運用してくれるため、Indeed運用のノウハウがなくても適切な運用が実現できる方法といえます。
設定作業がほとんどなく、運用予算・期間を設定し運用ができるメリットがある一方、応募単価を重視するなどのカスタマイズ運用が難しいのがデメリットです。
単価手動運用(上限入札単価)
手動設定(クリック単価入札)は、15円〜1000円の間で、自ら上限クリック単価を設定する方法です。
ある程度の応募を集めたい、そして掲載期間も長くしたい場合は、1日当たりの上限予算を設定することで予算の使い過ぎを防ぐことができます。
自動設定する部分が少ない分、Indeedでの運用ノウハウがないとどう設定すればいいのか分からないことがデメリットですが、採用状況に合わせて細かくカスタマイズできることがメリットです。
Indeed運用のノウハウやWeb上での採用活動の経験が豊富な人であれば手動運用の方が効率的に運用できる場面がありますが、2023年4月からIndeedのスポンサー広告では従来のクリック単価入札システムが廃止されたため、手動設定での運用はできなくなりました。
Indeed自動入札における目標設定型キャンペーン
Indeedに新しく追加された運用方法は、従来の自動運用をベースにしながら費用対効果や応募者数などの目的に合わせた運用を可能にしています。
では自動調整のパターンはどのような調整内容なのか、詳しくみていきましょう。
バランス型
バランス型の運用方法は、複数の求人募集を均等に推進することを目的としています。
特に人気のある求人への応募が集中しないように、掲載しているすべての求人が公平に応募を集められるよう予算の配分を調整することが特徴です。
人気のある募集への応募が偏ることを防ぎ、掲載している求人全体が応募を獲得できるような予算の使い方ができることが、メリットになります。
しかし不人気案件にクリック単価全体の足並みがそろってしまうことがあるため、まんべんなく運用する分「この求人にもっと予算をかけたら応募数が増えたかもしれない」といったケースも同時に発生しやすくなってしまい、応募数が最大化されない場合もあるのです。
求人の掲載案件数が多く、各案件同程度の応募数が必要とされる場合には、バランス型の自動調整が効果的といえます。
応募数最大化型
応募数最大化型は予算と期間を考慮に入れ、最大の応募数を獲得することを目指す自動調整で、今までの自動運用方式に最も近い運用方法です。
応募数最大化型では、最適なクリック単価を自動的に調整し、応募数を増やすことが可能となっています。
応募数最大化型のメリットとして、クリック単価が最適な値に自動調整されるため、設定したキャンペーンにおける最適なクリック単価が容易に把握でき、限られた期間内で予算を最大限活用して、多くの応募者を得ることが可能になるでしょう。
デメリットは複数の求人が存在する場合に応募の偏りが生じやすい点で、設定期間が短い場合には、安定した運用が困難になります。
応募獲得しやすい案件から応募の母数を多く獲得したい場合や、1ヶ月以上のスパンで予算を決めて応募数の最大化を目指したい場合には、最適な運用方法です。
目標応募数重視型
求職者がIndeed内で気になる求人を見て応募する際に、直接簡単に応募ができる「Indeedエントリー」が有効になっている場合には「目標応募数重視型」の自動調整が利用できます。
目標応募数重視型は案件ごとに必要な応募数を設定し、予算内での目標応募数を獲得するための運用方法で、具体的な採用目標がある場合や採用までに必要な応募数をあらかじめ把握している場合に適している方法です。
目標となる応募数が明確である場合には予算配分を効率的に行いやすく、クリック単価コントロール以外の求職者動向も加味された運用になるため、クリックからの応募率が高くなるメリットがあります。
しかし目標設定以上の応募獲得をできる可能性が低く、すべての案件に対して応募数目標の設定が必要になるため、担当者の手間が増える点がデメリットです。
案件ごとに目標となる必要応募数が明確である場合や、今までのIndeed利用時のクリックからの応募率が0.75%以下の場合には、目標応募数重視型が最適でしょう。
目標応募単価重視型
目標応募単価型はキャンペーン全体の応募単価目標を設定し、応募単価目標を達成できるようにする運用方法で、目標応募数重視型と同様に「Indeedエントリー」が有効になっている場合に利用できます。
目標応募単価重視型の運用では応募単価のコントロールを重視するため、目標がシビアな場合は予算消化が遅くなる可能性がある点に注意が必要です。
目標応募単価重視型のメリットとして、応募単価を目標値にするため予算からの応募数の見込みが立てやすい点が挙げられます。
目標応募数重視型と同じく求職者動向が加味されるため、クリックからの応募率が高くなりやすいでしょう。
しかしシビアな目標を設定した場合、応募を集めるスピードが鈍くなるデメリットがあります。
求人案件の職種内容や資格や経歴といった応募条件などがバラバラの場合、偏りが起きやすく、効率的にならない場合がある点に注意が必要です。
同一職種や同一応募条件の案件が複数の勤務地ごとある場合や、明確な応募単価が決まっている場合には、目標応募単価重視型が適しているでしょう。
クリック単価廃止以外にも変わる!Indeedのバリエーション
Indeedのアップデートでの変更点は手動入札の廃止だけではなく、「勤務地・職種名のバリエーション」にまつわる規約も含まれており、違反している求人広告は非表示になってしまいます。
では具体的にどのような内容になったのか、「勤務地」「職種名」ごとに確認してみましょう。
勤務地のバリエーションとは
勤務地のバリエーションとは「求人の募集地域のバリエーションを意図的に増やしてはいけない」ことを指し、Indeedの掲載基準ページでは以下の説明がされています。
・ポリシー 採用企業は、可能な限り具体的かつ正確な勤務地に求人を投稿しなければなりません。 本ポリシーに違反する求人はIndeedから削除されます。 ・定義 勤務地のバリエーション:正確な勤務地以外に掲載された求人。 ・理由 勤務地のバリエーションがあると、Indeed の求人検索の表示結果は多くの求職者にとって関連性がなく、わかりにくく重複しているものになります。 |
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Indeedでは「1求人=1地域×1職種」という形で求人をとらえており、これは1つの勤務地と1つの職種で特定される情報を1求人として定義するという考え方です。
例えばA地区とB地区で同じ事務職を募集する場合、「A地区の事務職」「B地区の事務職」でそれぞれ別の求人として扱われることになります。
これにより、「応募先の求人内容と実際の勤務地が違う」という事態を防ぐことにつながるのです。
参考:勤務地のバリエーション | Indeed (インディード) 4月 20, 2022
職種名のバリエーションとは
職種名のバリエーションとは、「似たような名前の職種名を意図的に増やしてはいけない」ことを意味し、Indeedの掲載基準ページでは以下の説明がされています。
・ポリシー 採用企業は、1件の求人を異なる、または誇張された職種名で複数回投稿することはできません。 本ポリシーの目的は、求人が複数の職種名で投稿されることを防止する基準の確立です。 Indeedでの求人投稿は、1件の求人につき1つの職種名で投稿される必要があります。 ポリシーに違反する求人はIndeedから削除されます。 ・定義 職種名のバリエーション:さまざまな職種名で複数回掲載された求人。 ・理由 職種名のバリエーションがあると、Indeedの求人検索の結果は多くの求職者にとって関連性がなく、わかりにくく、重複しているものになります。 |
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例えば、同じレストランで「フロアスタッフ」「配膳スタッフ」と似たような業種名でそれぞれ別の求人情広告を掲載した場合、Indeedのポリシー違反になり非公開となるのです。
これにより別内容と見せかけて同じ勤務地の求人情報が掲載できなくなり、実際には1職種しか募集していないのに複数職種を募集しているように見せかける方法ができなくなりました。
参考:職種名のバリエーション
Indeed運用の注意点と代理店が信頼できる理由
手動入札の廃止や掲載ポリシーのアップデートなど、さまざまな変化を遂げるIndeedですが、ここからはIndeed運用において注意したい点と、Indeed運用の代理店が信用できる理由を紹介します。
Indeed運用の注意点
新しい情報のキャッチアップが必要
自社でIndeed運用を行うにあたり、最新情報のキャッチアップを常に行わなくてはいけません。
例えば、Indeedの掲載基準の変更といった媒体の仕様変更によって求人原稿における禁止の文言が増えていた場合、いつの間にか自社の求人情報が掲載されていなかったといったことが起こる可能性があるため、最新情報を把握する体制を整えておく必要があるのです。
掲載や改善の知識・時間を要する
Indeedに求人情報を掲載し運用するためには、必須項目や禁止事項といった必要な情報の収集や、運用改善のためのデータ収集や改善課題の明確化など、さまざまな知識が求められる上に、データや掲載次項などの情報収集が必要になります。
そのため「どの項目に時間をかけるべきか」を見極め、工数のバランスを取ることが重要です。
信頼できる代理店
効果的な運用ができる
代理店では複数の会社のIndeedの掲載を行っているため、運用のノウハウを持っている場合がほとんどです。
「どうすれば効果が改善するのか」「求人の効果を出すためには何をしなければいけないのか」といった課題を豊富な運用経験から正解を導き出せるため、効果的なIndeedの運用が期待できるでしょう。
Indeed運用に最適な提案をしてもらえる
代理店にIndeedの運用を任せると「上位表示させるにはどのようなキーワードを使うべきか」「クリック単価の設定をどのようにするか」など、専門的な知見で提案してもらえるメリットがあります。
求人情報の登録についても、「直接投稿」か「採用サイト」でおこなうかなどの適切なアドバイスもしてもらえるでしょう。
まとめ
弊社トルーは、IndeedATS(採用管理システム)認定パートナーにも選ばれたツールであり、Indeedの正規代理店でもあります。
IndeedとのATS連携においては、Indeedに送付する求人の中で1社でもポリシーに大きく違反する求人を掲載している企業が存在すると、ATSを利用している企業全体に影響が及ぶ場合もあるのです。
そのためクリック単価設定の廃止や、掲載基準の変更など、Indeedにおける各種アップデートにも対応している代理店を選定することが重要になります。
Indeed広告で正しく成果を出したい場合は、ぜひトルーの利用をご検討ください。