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人材を人財に変えるための人材育成の方法と課題

カテゴリ:リクルーティングコラム

独立行政法人 中小企業基盤整備機構の「中小企業アンケート調査報告『人手不足に関する中小企業への影響と対応状況』」(平成29年5月8日)によると約7割の中小企業が人不足と感じていると言います。

そのような中、今いる社員、もしくは採用に至った新入社員・中途採用者一人一人のモチベーションやスキル、能力をアップさせる人材育成が重要と考えられています。

しかし、そのためにはどのような方法があるのでしょうか。

人材、そして人財へと育てるための育成方法について見ていきます。

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人材と人財 価値のある従業員とは

従来の人材という言葉に対して、最近は人財と漢字をあてることも多く見られます。

ともに、同じ音ではありますが、以下のように使い分けられていることが多いようです。

【人材】
確かなスキルを持ち、会社が業務を行う上で必要な人的資源を指します。

優秀でありチームに役立つ存在ではありますが、他の社員が代わって業務を行うことが可能です。

【人財】
企業・チームにとって財産というべき、代替えが効かない存在です。

また、会社が人を宝として考えているという姿勢を示すことでも使われます。

さらに、英語で言うところのhuman capitalにあたり、今後、コストをかけることで大きな存在へと成長する可能性を秘めた存在として、人事戦略の中で社員を位置づける際にも多く使われます。

つまり、何らかの理由で欠員が生じたときに「替わり」がきくかどうかによって、人材と人財を使い分けることが多くあるようです。

人財を抱えるには育成が不可欠

誰もが最初から人財だったわけではありませんし、誰もが人財になる可能性を秘めています。

人財を求めるならば、まずは、人材の育成が必要です。人材は投資を行うことでさらに価値が高まっていくと考えられています。

投資である以上、コスト、時間を要することになりますが、人財を多く抱えることは会社の成長を促す可能性が高まります。

人材育成を学ぶ必要性を共有する

たとえ会社側が熱心であっても、育成される側の社員と意思の疎通が図れていなければ、同じゴールを目指すことができません。

また、育成の過程や育成後には活躍できる場を提供することも重要です。

モチベーションが保てない環境では、有能な社員は転職を考えるようになります。

育成の必要性を共有し、適した環境を用意することは、優秀な社員を育てる上で重要なポイントではないでしょうか。

そして、必要性を共有するためにも上司と対象社員との十分なコミュニケーションが必要です。

適したタイミングで面談の機会を設けるなどし、現状や社員の悩みを会社が把握しながら今後に役立てることも大切です。

※あわせて読みたい

人材育成にはどんな課題がある?時間やコストの問題と解決策

人材育成の方法と種類

ここからは、人材育成の方法を大まかに3つに分類して、概要を紹介します。

また、それぞれの方法について、メリットとデメリットについても見ていきます。

OJT(On the Job Training)

実際に働きながら会社に慣れさせ、業務を教えていく研修の手法です。

新入社員に対して行われ、直属の先輩や上司がメンターとして育成担当となることが多くあります。

OJTのメリットとデメリット

実践を学ばせることができ、また、対象社員の個性や適性をいち早く知ることができます。

そして、今後のキャリアパスの形成にも役立てることができます。

上司または先輩と対象社員の二人三脚で行われるため、個々の習熟度にあわせて研修が可能です。

そのため、対象の社員にとっては無理なく仕事を覚えることが可能です。

また、「教える」という行為を通じて、先輩や上司にとっても、あらためて仕事の基本を見直すことができ、自分の成長に役立たせることが可能となります。

デメリットとしては、OJTはあくまでも実務を学ばせるものであるという点です。

ビジネス全般について学ばせるわけではないので、汎用性に欠けるという点があります。

また、教育が現場任せとなり、人間関係でつまずいた場合に教える方と教わる方の双方にとって、大きなストレスになる可能性があります。

教育のレベルにムラができやすく、必ずしも会社が求めるレベルに対象の社員が達しない場合もあります。

さらに、教育担当を任された社員としては業務以外の負担が増え、通常の仕事の効率が落ちる可能性もあります。

そのために、教育担当社員の業務負担の調整や、ストレスのケアも必要となります。

Off-JT(Off the Job Training)

職場で研修を行うOJTに対し、実務を離れて行うのがOff-JTです。

座学が中心となり、外部から講師を招いて行うこともあります。ビジネスマナーなどビジネスの基礎を学ばせるのに適しています。

またグループワークで共同作業の重要性を学ばせたり、ロールプレイングで業務の流れを把握させたりすることもできます。

Off-JTのメリットとデメリット

メリットとしては体系的にビジネスの基礎を覚えることができるという点にあります。

また、社員を集めて専任の外部講師または講師役の上司・先輩が事前に準備されたプログラム基づいた講習を行うため、教育内容にムラができにくいというメリットがあります。

ただし、現場の実務は臨機応変な対応が求められたり、何を担当するかによっても細かな違いがあったりするので、時間に限りのあるOff-JTでは教えきることはなかなか困難です。

また、グループでの参加となることから、本人の理解度をきちんと把握する仕組みも必要となるでしょう。

SD(Self Development)

自己啓発のことです。会社が費用を出して社員が社外のセミナーなどを受講したり、書籍で学んだりします。資格取得に関する勉強も含まれます。

現在、eラー二ングをはじめとしたIT技術を活用したプログラムが次々と開発されているようです。

会社から強制的に参加させることよりも、社員それぞれが進んで受講をするケースが多くあります。

そのため、社員それぞれが高い意識を持って成長を目指すことが重要です。

SDのメリットとデメリット

さまざまなセミナーやeラーニングが実施されているため、選択肢が豊富です。

また、自分で選んで受講をすることを通じ、主体性をもった人材へと成長を促すことが可能です。

特定の分野において専門的な知識を高めることができ、スペシャリストやマネジャーの養成にも役立ちます。

デメリットとしては成果が分かりにくいという点が挙げられます。

勤務時間内や会社の補助金などを使用して参加するため、ある程度の結果を求めたいところですが、必ずしもすぐに結果が出るわけではありません。

そのため、セミナーの参加費や資格取得の受験料などへの投資が、本当に必要なものだったかは、経営者にとっては悩ましいところです。

また、会社で強制的に行う研修ではないため、社内でフィードバックする機会も少なく、社員にとっては学び続けるモチベーションを保つことができない場合があります。

最悪、途中で学ぶことをあきらめてしまう可能性もあります。

人材育成手法の比較

育成手法 OJT Off-JT SD
目的 実務の習得 ビジネスに関する知識・スキルの習得 自発的な学習によるスキルアップ
方法 現場で先輩・上司により1対1で行われることが多い 座楽やグループワークで行われる。情報セキュリティ研修やコミュニケーション能力研修、グローバル人材を育成するためのセミナーなども行われる。 主には各種セミナー、書籍、eラーニング、資格取得のための講座などを利用して行われる。
費用 研修にかけた時間を賃金換算した機会費用のみ。 機会費用にプラスして、直接費用(外部講師代など)がかかる。外の会議室などを利用した場合には場所代が必要。 社員が業務時間内に受講などを行った場合には機会費用。プラスしてセミナー代、資格取得のための受験料などを会社が出す場合が多い。
対象 主に新入社員・中途採用者。 企新入社員・中途採用以外でも、必要に応じて行われる。 全ての従業員。

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人材育成で注意すること

基本的な技術を教えるだけであればさほど難しいわけではありません。

しかし、キャリアプランを見越し、本当に会社にとって必要な人財を育てていくには、いくつかの注意すべきポイントがあります。

リーダーシップを意識させる

リーダーシップを意識させるということは、チーム全体を見られる目と自主性を育てることです。

そして、リーダーシップには目標達成に必要な対課題スキルと、集団を維持するための対人スキルが必要です。

チームの仲間の状況を見ながら「フォローを行う」「効率よく指示を行う」「良い結果を出した仲間を称賛」するということは、リーダーとして必要なことであり、チーム全員が行えるのが望ましいと言えます。

いきなりそのようなリーダーシップを育てるというのは難しいものです。

新人の頃から、意識付けをしておくことも大切だと考えられています。

コミュニケーションを積極的にとる

人材育成において、上司が社員のことをきちんと理解することも大切です。

そこで必要なのが傾聴、対話です。対話の時間を設けることで、相手を理解すると同時に、お互いに信頼関係が生まれます。

その対話をする際には、一方的に上から話しても相手には伝わりません。

まずはじっくりと話しを聞き、相槌を打ちながら、「今、どんなことを考え、どんな悩みを持っているか」を理解していきます。

適切な目標を設定する

長期的な人財育成のためには、本人の能力や個性、現在の実力に合わせた適切な目標を設定する必要があります。

目標は大きすぎても漠然として見えづらく、小さすぎてもモチベーションの持続をさまたげる可能性があります。

社員のことを理解しながら目標管理を行うことが重要です。

目標を管理すると同時に、年功序列に惑わされない適切な評価制度をつくることも、社員のモチベーションを保つために重要です。

中途採用者は企業文化の違いに気を付ける

同じような業界・業種の企業でさえ、それぞれに会社に独自の文化や業務の進め方があります。

その文化の違いをどう上書きするかどうかが、中途社員の教育の難しいところです。

前職でいくら良い成績を収めていても、新しい文化にとまどいを持ってしまい、必ずしも即戦力として活躍できない場合もあります。

文化の違いを考慮に入れながら、人材育成を行う必要があります。

※あわせて読みたい

生産性向上には人材育成が不可欠!人材育成計画の作り方と目標管理のポイントを解説

まとめ

人材は会社の資産です。

会社の価値をますます高めるために、会社にとってなくてはならない人材、そして人財を育てていくことも重要です。

育成にはOJT、Off-JT、SDなどの方法があり、会社の業務や社員の能力などを考慮しながら取り入れてみてはいかがでしょうか。

育成の際には目的をはっきりとさせる、リーダーシップの意識をもたせるなど、いくつかの注意点も考慮することも大切です。

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※この記事は2020年6月の情報を元に作成しています。

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