採用マーケティングとは?重要な2つのキーワードと具体的な手法
更新日:2021.12.17
公開日:2020.8.10
カテゴリ:リクルーティングコラム 採用お役立ち情報
更新日:2021.12.17
公開日:2020.8.10
カテゴリ:リクルーティングコラム 採用お役立ち情報
近年、少子高齢化に伴う労働人口の減少により、人材獲得競争は激しさを増しています。
その影響から「人手が足りない」「求める人材の確保ができない」といった課題を抱える企業が増えているのです。
そこで優秀な人材が採用できると注目されているのが、採用活動にマーケティングの手法を取り入れる「採用マーケティング」です。
多くの採用成功をお手伝いしてきた私たちが、採用マーケティングの基本から、注目されている背景、採用マーケティングの手法について詳しくお伝えします。
この記事をよく読んで、自社の採用活動に採用マーケティングを取り入れる際の参考にしてくださいね。
このコラムの目次
まずはじめに、「採用マーケティング」とはどういうものなのか詳しくみていきましょう。
採用マーケティングとは、採用活動にマーケティングの視点や考え方などの手法を取り入れることを指します。
では、マーケティングとはどういうものなのでしょうか。
日本マーケティング協会ではマーケティングの定義を以下のように定めています。
参照)日本マーケティング協会「マーケティングの定義」
以上のことを踏まえると、採用マーケティングとは「ターゲットとなる企業の求める人材のニーズを深く理解し、効果的な方法で自社の魅力を伝えることで、応募や入社に繋げる採用活動」と言うことができるのではないでしょうか。
採用マーケティングが注目されている理由に、少子高齢化による労働人口が減少したことによる採用競争の激化が挙げられます。
採用競争の激化による採用方法の多様化や、働き方の価値観の変化など、採用活動全体が変化したことによって、求職者のみを対象とした従来の採用方法では、自社の求める人材や優秀な人材を採用することが困難になっているのです。
そこで、企業が積極的にアプローチを行うことで採用力の強化ができると、マーケティングの考え方を採用活動に取り入れる「採用マーケティング」が注目されているのです。
新卒採用における大きな変化は、日本経済団体連合会(経団連)の採用ルールが2021年から廃止されることです。
短期期間で行っていた採用が「通年採用」となり、就職活動の長期化がさらに進むことが予想されます。
これまでのインターンシップから就職説明会、応募、選考といった流れでは、対応できない可能性も出てきています。
採用市場が変化する中、企業側は、学生が本格的に就職活動を始める前から積極的に情報発信を行い、一人でも多くの学生に自社を知ってもらう必要があります。
さらに、多くの学生が使うSNSやチャット、メール、インターネットサイトなどに自社の情報を発信することも重要なポイントとなっています。
大手志向から働きやすさや、やりがいのある仕事ができる企業を志望するようになったり、企業側もざまざまな人材を求めるようになったりと、従来の新卒採用の考え方から変化しています。中途採用市場では、「給与」や「待遇」だけでなく「自己成長」「ワークライフバランス」など多様な価値観が重要視されています。
さらに売り手市場であり人材の流出が多いこと、即戦力採用が注目されているという状況の中、求人広告や人材紹介会社へのコストや採用担当者の負担が増加しています。
そのため、ミスマッチによる内定辞退や入社後の早期退職を防ぐためにも、企業の魅力を直接伝えることのできるダイレクトリクルーティングなどの新たな採用手法を取り入れる企業が増えているのです。
採用マーケティングの言葉の意味についてお話しました。
では、採用マーケティングとは具体的にどのようなことを行うのでしょうか。
採用マーケティングを行う際にしておくべきキーワードや、具体的な手法についてお伝えします。
採用マーケティングを行う前にまず、「ファネル」「ペルソナ」という2つの言葉の意味を知っておく必要があります。
ぞれぞれみていきましょう。
ファネルとは漏斗(ろうと)という意味で、逆三角形の形をした器具のことを指します。
マーケティング業界でのファネルとは、消費者が商品やサービスを購入するに至るまでのプロセスを逆三角形の形に当てたものを指します。
ファネルを活用することで、購入に至るまでの課題が明確になり、適切な解決策や施策を打つことが可能です。
その結果、商品やサービスの売上を向上できるのです。
ペルソナとは、商品やサービスの典型的なユーザー像のことを指します。
実際にその人物が存在しているかのように、年齢、性別だけでなく、職業、年収、家族構成、趣味などの詳細情報を設定します。
こうすることで、具体的なユーザー像をイメージしやすくなるのです。
採用マーケティングにおいてポイントとなるのは、以下の2つです。
(1)就職、転職意思に関係なく「潜在層」へいかにアプローチできるか
(2)「ペルソナ」をどのくらい明確に設定できるか
それぞれを詳しくお話します。
まずは、ファネルを用いて求職者の動きの全体像を把握しましょう。
ファネルにおける購入までのプロセスは、「認知」「興味」「比較・検討」「購入」とされています。
採用活動に当てはめると、入社までの採用プロセスとプロセスごとに取るべき行動はこのように分類できます。
目的は、就職、転職意思に関わらず自社のことを知ってもらうことです。
潜在層へアプローチするには、SNSやメディアによる情報発信、イベントの開催・参加など積極的に求職活動をしていない人と接することができる方法があります。
目的は、就職、転職先として自社に興味を持ってもらうことです。
求職者は求人媒体やインターネット検索を利用して企業情報を調べるため、求人広告など従来の採用方法だけでなく、SNSや採用イメージ動画などさまざまな方法で自社の情報や魅力をアピールすると効果的です。
目的は、就職、転職先の候補として選んでもらうことです。
応募先として複数の企業を比較、検討するため、実際の働くイメージができる写真や動画、今後のキャリアステップ、先輩社員のインタビューなど、自分が働く姿を具体的にイメージできるような情報を発信しましょう。
目的は、自社の選考を受けている応募者の入社への意欲を高めることです。
社内イベントを開催したり、職場見学などを行ったりすることで、社員との交流や実際に働く雰囲気を知るきっかけとなります。
「この会社で働きたい!」と思ってもらうために、面接官から自社の魅力や他社との違いを伝えることも効果的です。
目的は、内定承諾してもらい、入社してもらうことです。
近年、売り手市場のため、多くの企業が求人募集をしています。
そのため、内定を出したからといって必ず内定承諾し入社してくれるとは限らないのです。
内定承諾や入社に対する内定者の不安を取り除くため、面談や研修、内定者懇親会といった内定者フォローを行いましょう。
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このように、採用マーケティングの考え方で採用活動を見ると、従来の採用活動で主に求人広告などを使いアプローチしていた「顕在層」ではなく、その前段階の「潜在層」へアプローチできるかどうかが重要だと言うことがわかります。
潜在層へ効果的なアプローチを行うことができれば、求人募集開始時に求職者が顕在層へ遷移しやすくなるのです。
次に、自社の求めるユーザーに近いペルソナの設計方法をみていきましょう。
これまでの採用活動でもターゲットを設定していましたが、「ペルソナ」では、求めるユーザー像をより具体的にイメージできるように設定します。
自社の経営理念や経営戦略、自社商品について改めて見直し、自社の強みや弱み、市場の動向を理解します。
自社分析をする際によく用いられるフレームワークとしては、以下の2つがあります。
・3C分析
「Customer:市場・顧客」「Competitor:競合」「Company:自社」の3つの視点から分析をすることで、自社商材についての理解が深まります。
・SWOT分析
「S=Strength:強み)」「W=Weakness:弱み」「O=Opportunity:市場機会」「T=Threat:外部脅威)」の4つの視点から分析をすることで、強みや弱みを知ることができます。
このような分析から、自社のとるべき採用戦略が明らかになります。
実際にその人物がいるかのようにできるだけ詳しい情報を設定することで、効果的なアプローチ方法が明確となります。
そのため、ペルソナを作成する際にどのような情報が必要なのか、しっかり考えて作成する必要があります。
先ほど作成した情報を元に、実際にペルソナを設定します。
ただ情報を集めるだけでは実際に求める人物像からずれてしまう可能性があるため、データを活用しましょう。
街頭やWEBを使ったアンケートやインタビュー、またはリサーチ会社へ依頼することでデータを集めることが可能です。
これらのデータを活用し、人物像を分析すれば、ペルソナをより明確に設定できます。
一度ペルソナを設定したらそれで終わり、ではありません。
施策を行っている途中や実施後にどうだったのか振り返り、ペルソナと実際のユーザーとの間に乖離がないかというように、定期的に見直す必要があります。
PDCAを行うことで、ペルソナがより具体的に設定でき、採用活動の改善につながるのです。
採用マーケティングは、従来の方法ではアプローチできていなかった「潜在層」へアプローチすることで、応募数や採用人数を増やすことを目指す採用戦略です。
「優秀な人材を採用したい」「応募を増やしたい」と感じている方は、自社の採用活動に採用マーケティングの視点を取り入れてはいかがでしょうか。
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※この記事は2020年6月の情報を元に作成しています。